スリンダ錠とは?

スリンダ錠(スリンダ錠28)は、あすか製薬が提供する国内初の黄体ホルモン(プロゲスチン)単剤の経口避妊薬(避妊用ミニピル)です。一般的な低用量ピルの多くは「エストロゲン」と「プロゲスチン」の2つのホルモンを含む配合型ピルであるのに対し、スリンダ錠はプロゲスチンのみを有効成分とするピルであり、「プロゲスチン単剤ピル(POP)」とも呼ばれます。
スリンダ錠の有効成分はドロスピレノンで、28日間連続で服用するタイプのピルです。4錠のプラセボ(偽薬)を含む「28錠タイプ」であるため、飲み忘れを防ぎながら、一定のリズムで服用を継続することができます。
スリンダ錠が選ばれる理由
スリンダ錠は、以下のような特徴をもつ方に適した選択肢となることがあります。
エストロゲンの使用が難しい方に
一般的な低用量ピルに含まれるエストロゲンは、血栓症や高血圧などのリスク要因がある方にとっては注意が必要です。スリンダ錠はエストロゲンを含まないため、エストロゲンの影響が心配な方や使用が制限されている方でも使用を検討できるピルとして注目されています。
たとえば、以下のような方は医師の判断のもとでスリンダ錠を選択するケースがあります。
- 喫煙習慣がある35歳以上の方
- 血栓症の既往がある方
- 高血圧や高BMIの方
- 授乳中の方
- エストロゲンに関連する副作用が出た方
毎日同じ時間に服用することで高い避妊効果
プロゲスチン単剤ピルは、服用時間がずれると避妊効果が下がりやすいというデメリットもありますが、スリンダ錠に含まれるドロスピレノンは血中濃度が比較的安定しやすい特徴があるため、ある程度の服用時間のズレにも対応できる可能性があります。ただし、毎日なるべく同じ時間帯に服用することが推奨されます。
スリンダ錠の効果と作用機序
スリンダ錠に含まれるドロスピレノンは、黄体ホルモンの一種で、以下のような作用によって避妊効果を発揮します。
- 排卵を抑制する
- 子宮内膜を厚くしにくくして着床を防ぐ
- 子宮頸管粘液を変化させ、精子が子宮内に入りにくくする
これらの作用により、妊娠を防ぐ効果を発揮します。
スリンダ錠の服用方法
スリンダ錠28は、1日1錠を28日間連続で服用するお薬です。4錠のプラセボ(偽薬)が含まれているため、服用のリズムが保ちやすく、飲み忘れのリスクを減らせる設計になっています。
初めてピルを服用する場合
月経の初日から服用を開始する方法が一般的です(クイックスタートも可)。服用開始のタイミングによっては、避妊効果が安定するまでの数日間は他の避妊法(コンドームなど)を併用する必要があります。
飲み忘れた場合の対応
スリンダ錠を飲み忘れた場合、24時間以内であれば気づいた時点ですぐに服用し、次回分も通常どおりの時間に服用します。24時間以上空いてしまった場合は、避妊効果が低下する可能性があるため、数日間は他の避妊法の併用が推奨されます。
スリンダ錠の副作用と注意点
スリンダ錠はエストロゲンを含まないため、血栓症リスクが比較的低いとされていますが、副作用が起こることもあります。
主な副作用
- 不正出血
- 頭痛や吐き気
- 気分の変化
- 乳房の張りや違和感
- むくみ
これらの症状は体が薬に慣れるまでの初期段階でみられることがあります。数ヶ月経っても改善しない場合は、医師にご相談ください。
使用上の注意点
- 妊娠している可能性がある場合は服用を控え、医師に相談してください。
- 他の薬(抗てんかん薬や一部の抗生物質など)との併用により、避妊効果が低下することがあります。
- 持病がある方や、現在治療中の疾患がある方は必ず医師に申し出てください。
スリンダ錠は避妊以外にも
役立つことがあります
ドロスピレノンには抗アンドロゲン作用や利尿作用があり、にきびや多毛症の緩和など、美容面での効果を期待されることもあります。また、PMS(月経前症候群)や月経困難症の改善を感じる方もいます。
ただし、こうした作用には個人差があり、すべての方に当てはまるわけではありません。あくまで医師の判断のもとでの使用が必要です。
費用
費用 | |
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スリンダ錠 | 3,500円 (初診料・再診料・処方料込み) |
スリンダ錠をご検討の方へ
ピルの選択は、生活スタイルや体質、既往歴などによって適した種類が異なります。スリンダ錠は、エストロゲンを含まないという特性から、これまでピルが使えなかった方にとっての新たな選択肢となりうる薬剤です。
当院では、ピルの処方前に丁寧なカウンセリングと問診を行い、安心して服用を開始できるようサポートいたします。避妊目的はもちろん、月経のお悩みやPMS、美容目的でのご相談も受け付けております。ぜひお気軽にご相談ください。